MaaS実証実験(きたひろライド)のご紹介

きたひろライドの目的

経済産業省による令和2年度「スマートモビリティチャレンジ」の実証実験「収益循環型サービスの活用による、積雪環境下での持続可能な地域密着型TownMaaSの実現」を北海道北広島市にて実施しました。

北広島市では人口減少・少子高齢化・バス路線利用者の減少などが続いている影響で、地域公共交通を取り巻く社会情勢が大きく変化しています。
本実験では、北広島市における移動サービスの課題を「収益循環型の事業モデル」で解決できるかを検証しました。

収益循環型の事業モデルとは?

利用料金だけでは採算が取れない交通事業者に対して、別の収益を加えることによって、事業を成立させることを目的としたモデルです。
本実験では、交通事業者が広告料金という収入を得るために、移動中の車内で地域商業施設の広告を表示します。利用者は広告を見て地域商業施設を利用し、地域商業施設は広告の効果に応じて広告料金を支払います。
広告を効率的に出すことで、広告の効果をあげれば広告料金を上げることができる。
利用者に対する広告効果が実証実験のポイントです。

地域モビリティ「きたひろライド」の運行実験

本実験では2020年11月と2021年1月の2回に分けて、地域モビリティ「きたひろライド」を運行し、広告料金によって事業の維持に必要な収益が得られるか検証を行いました。

きたひろライドでは、デマンドタクシーと電動カートを組み合わせ、対象地域にお住まいの利用者の自宅から北広島駅間の移動サービスを提供しました。 対象者の居住区域どこでも共通になる移動を電動カートとし、自宅の送迎の個別移動をデマンドタクシーにすることでコスト削減を図りました。

きたひろライドの特徴 ①

きたひろライドを利用する際には、スマホアプリまたは電話で乗車予約を行います。予約の時間になると、利用者の自宅までタクシーがお迎えに伺います。利用者は乗合タクシーと電動カートを利用して駅まで移動します。(※帰りも同様に利用できます)

参考:SXiM

きたひろライドの特徴 ②

きたひろライドでは、電動カート内で地域商業施設の広告を行います。広告は車内に設置したタブレット上に表示し、興味のある広告には「いいね」を押せるようにしています。
なお、本実験では広告の効果を上げるため、利用者の趣味/趣向に応じて表示する広告を変える「パーソナライズド広告」のシステムを適用し、その効果の検証を行いました。

実証実験の様子

実験の総括と今後に向けて

SXiMは目的や趣味趣向を共有するシェアライドです。今回コロナ禍でシェアライドを見送ったことで、本来の乗ることを楽しくすることは出来ませんでした。
2回の実証実験ともに降雪がありましたが、アンケート結果からも外出を促すきっかけになったようです。
コロナ禍で外出を促すことも躊躇されることですが、外に出たい、何か共有したいという思いを感じることができました。
コロナ禍でTVコンテンツの需要が高まっているのも、家族と一緒に観たい、楽しみたいという現れだと思います。
この成果を踏まえて、時代に合わせたモビリティを再定義してアップデートしたサービスを提供し地域の皆様に貢献したいと考えています。

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